こんにちは。埼玉県富士見市・鶴瀬駅東口の司法書士、福田龍之介です。
相続に関するご相談の中でも、「遺産の分け方でもめてしまった」というご相談は少なくありません。
そんなときに活用されるのが「遺産分割調停」です。
今回は、遺産分割調停がどのように進められるのか、手続きの流れや注意点、そして実際の相談事例をご紹介します。
◆ 遺産分割調停とは?
遺産分割調停とは、相続人同士の話し合いで遺産の分け方がまとまらないときに、家庭裁判所で行う話し合いのことです。
裁判所が第三者として関わることで、公平で冷静な解決を目指します。
◆ どんなときに利用する?
- 相続人の間で話し合いが平行線になってしまった
- 感情的な対立があり、冷静な話し合いができない
- 行方不明の相続人がいる
- 誰が何を相続するかで納得できない
このようなケースでは、遺産分割調停の申し立てを検討する価値があります。
◆ 調停の申し立て方法・流れ
- 調停を申し立てる人:相続人であれば誰でも申し立て可能です。
- 申し立て先:被相続人(亡くなった方)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。
- 必要書類の例:
- 申立書
- 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
- 相続人全員の戸籍
- 遺産の資料(不動産登記簿謄本、預金通帳の写しなど)
調停の流れ:
- 申立て:書類を家庭裁判所に提出します。
- 期日の通知:裁判所から調停期日(話し合いの日)が通知されます。
- 調停期日:家庭裁判所で調停委員を交えて話し合いを行います。
- 合意成立:「調停調書」が作成され、判決と同じ効力を持ちます。
- 合意不成立(不調):話し合いがまとまらなければ審判に移行します。
◆ 【実際の相談事例】兄妹の考え方の違いで調停に
富士見市にお住まいのAさん(50代・女性)からのご相談です。
亡くなったお父様の遺産は、実家の土地と建物が中心でしたが、兄(埼玉県外在住)と「誰が実家を継ぐか」で意見が対立。
兄は「土地を売ってお金で分けよう」と主張。
一方、Aさんは「できればこの家に住み続けたい」と希望しており、話し合いがこじれてしまいました。
当事務所では、相続関係説明図や不動産の評価資料を作成し、まずは冷静な協議を目指しましたが、最終的に兄妹間の感情的な対立が深まり、調停を申し立てることに。
調停では、裁判所の調停委員が間に入り、
- 不動産の査定価格
- 居住希望の尊重
- 他の遺産や代償金の調整
などをもとに、最終的には「Aさんが家を相続し、兄に代償金を支払う」という形で合意が成立しました。
Aさんからは「調停というと大ごとに感じていたけれど、かえって冷静に話ができてよかった」との声をいただきました。
◆ 遺産分割調停のポイント・注意点
- 感情的にならず、冷静に事実を整理することが大切
- 書類の準備や証拠の整理は、早めに専門家に相談するのがおすすめ
- 調停に進む前に、書面や資料で相続人の理解を得ることが功を奏する場合もあります
◆ 司法書士にできること
司法書士は、遺産分割調停の申し立て書類の作成、相続関係の調査、遺産分割協議書の作成など、手続き全般をサポートできます。
また、家庭裁判所での流れや必要な準備についてもアドバイスいたします。
◆ まとめ
相続は感情も絡みやすく、家族間でのトラブルに発展することも少なくありません。
「もめそうだな」「すでに話が進まない」と感じたら、一人で悩まずご相談ください。
早めの準備と冷静な判断が、円満な解決のカギになります。
当事務所では、初回のご相談(予約制)を無料で承っております。
どうぞお気軽にお問合せください。