先週の土曜日は、「備えておくと安心 成年後見制度に関するシンポジウム」を聴講してきました。
任意後見制度とは、「本人が十分な判断能力を有する時に,あらかじめ,任意後見人となる方や将来その方に委任する事務の内容を公正証書による契約で定めておき,本人の判断能力が不十分になった後に,任意後見人が委任された事務を本人に代わって行う制度」(法務省)です。
例えば、将来、認知症になったときに備えて、あらかじめ「自分が認知症になったときはこうしてほしい」と決めておくことができます。いわば、どんなときでも自分で自分のことを決められるようにする保険のようなものです。
国は、任意後見制度の利用促進を最優先に掲げています。
基調講演を行った新井誠教授も娘様と任意後見契約を結ばれたそうです。自分が認知症になったらどうしようという不安や恐怖から解放され、「心の平和」を得られたとのことでした。
ただ、制度の利用はかなり低調な様子。新井教授によると、2021年1月から12月の任意後見制度の運用実績(発行済)は2663人にとどまったとのことです。要因としては広報不足や、制度運用の分かりづらさがあると思われます。
パネルディスカッションでは、「素晴らしい制度が宝の持ち腐れにならないように、是非活用してほしい」との意見が出ていました。
任意後見制度の改正論議も含め注視していきたいと思います。