遺産はどうすれば?相続順位の仕組み、知らなかったら損する!

相続は、人生で一度あるかないかの大きなイベントです。しかし相続人同士のトラブルや、相続税の負担など、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。

そこで今回は、相続順位のしくみとトラブルを防ぐ方法について、詳しく解説します。

相続順位とは?

相続順位とは、相続人が相続財産をどのように分割するかを決めるためのルールのことです。相続の順位は、民法で定められています。

相続順位は、以下のとおりです。

  1. 直系尊属
  2. 兄弟姉妹

配偶者は、常に相続人となります。

配偶者と子が相続人となる場合

Aさんが亡くなった場合、Aさんの配偶者とAさんの子ども二人が相続人となります。この場合、相続財産は、配偶者が2分の1、残りの2分の1を子どもたちが半分ずつ相続することになります。

例えば、Aさんが亡くなった場合、Aさんの遺産総額が1億円だったとします。この場合、配偶者が5,000万円、子どもたちが各々2,500万円を相続することになります。

配偶者が相続放棄した場合

配偶者が相続放棄した場合、配偶者以外の法定相続人が遺産を相続します。 配偶者は常に法定相続人で相続順位には関係ないため、相続権が他の方に移ることはありません。 

例)Aさんが亡くなった場合、Aさんの配偶者とAさんの子どもたちが相続人となります。しかし、Aさんの配偶者が相続放棄した場合、相続人となるのは、Aさんの子どもたちだけとなります。

この場合、相続財産は、Aさんの子どもたちが均等に分割することになります。

例えば、Aさんが亡くなった場合、Aさんの遺産総額が1億円だったとします。この場合、Aさんの子どもたちが各々5,000万円を相続することになります。

子がいない場合

子がいない場合、直系尊属が相続人となります。直系尊属には、父母、祖父母、曾祖父母などがあります。

例)Aさんが亡くなった場合、Aさんに子どもがいないため、Aさんの父母が相続人となります。この場合、相続財産は、Aさんの父母が均等に分割することになります。

例えば、Aさんが亡くなった場合、Aさんの遺産総額が1億円だったとします。この場合、Aさんの父母が各々5,000万円を相続することになります。

直系尊属が複数いる場合

直系尊属が複数いる場合は、相続財産を均等に分割します。ただし、被相続人に配偶者と親や祖父母などの直系尊属が複数いるケースでは、配偶者と、被相続人に最も近い世代の直系尊属が相続人になります。例えば、被相続人に母親と父方の祖父母(父親は既に死亡)がいる場合は、配偶者と母親のみが相続人になり、父方の祖父母は相続人とはなりません。相続分は配偶者が3分の2、母親が3分の1となります。

例)Aさんが亡くなった場合、Aさんに子どもがいないため、Aさんの父母が相続人となります。この場合、相続財産は、Aさんの父母が均等に分割することになります。仮にAさんに祖父母がいたとしても、祖父母は相続人にはなりません。

例えば、Aさんが亡くなった場合、Aさんの遺産総額が1億円だったとします。この場合、Aさんの父母各々が5000万円を相続することになります。

兄弟姉妹が相続人となる場合

子も直系尊属もいない場合は、兄弟姉妹が相続人となります。

例)Aさんが亡くなった場合、Aさんに子ども直系尊属もいないため、Aさんの兄弟姉妹が相続人となります。この場合、相続財産は、Aさんの兄弟姉妹が均等に分割することになります。

例えば、Aさんが亡くなった場合、Aさんの遺産総額が1億円だったとします。この場合、Aさんの兄弟姉妹が4人いれば、各々2,500万円を相続することになります。

遺産相続順位をめぐるトラブル

遺産相続をめぐって、相続人同士でトラブルになるケースは少なくありません。例えば、以下のようなものが挙げられます。

  • 配偶者が相続財産をすべて相続したいと主張する場合
  • 兄弟姉妹が相続財産を均等に分割したくないと主張する場合
  • 遺産分割協議がまとまらず、裁判で争われる場合

遺産相続をめぐるトラブルを防ぐ方法

遺産相続をめぐるトラブルを防ぐためには、以下の方法が考えられます。

  • 遺言書を作成しておくこと
  • 生前から家族でしっかり話し合いをしておくこと

相続人同士の話し合い

遺言書を作成していない場合は、死後、相続人同士で話し合い、遺産分割協議書を作成します。

生前からしっかり家族で話し合っていれば、スムーズに遺産分割協議を作成でき、裁判で争うリスクを軽減することができます。

まとめ

相続順位は、遺産相続において重要なポイントです。相続順位を理解しておくことで、トラブルを防ぎ、後悔のない相続を実現することができます。

相続順位をめぐるトラブルを防ぐためには、遺言書を作成しておくことが有効です。遺言書を作成しておけば、自分の意思を尊重した形で遺産を分割することができます。また、生前から家族でしっかり話し合っておくことでも、スムーズな遺産分割協議につながり、トラブルを防ぐことに役立ちます。

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この記事を書いた人

福田 龍之介

【資格】司法書士
【略歴】埼玉の地方紙で、記者として約18年間働き、社会部、運動部、
    政治部などの記事を作成。
    その後司法書士として約4年間その専門性を磨き、現在に至る。
【所属】埼玉司法書士会