将来取得する財産を相続させる遺言は可能?

相続問題は多くの方にとって大きな関心事であり、特に遺言書を作成して財産を誰にどう分けるかを決めることは、重要な手続きです。しかし、「将来取得する財産」を相続させる遺言は可能なのでしょうか?今回は、将来取得予定の財産を相続させる遺言について、法的な背景やその注意点について詳しく解説します。


将来取得する財産を相続させる遺言とは?

将来取得する予定の財産を相続させる遺言は、一般的に「条件付遺言」や「未来の財産に関する遺言」と呼ばれることもあります。これは、たとえば今後手に入れる家や土地、株式などを特定の相続人に相続させる内容の遺言です。このような遺言書を作成することで、遺言者が将来取得した財産を相続人に確実に相続させることができます。

例:

  • 「○○年に購入する予定の不動産を、△△に相続させる」
  • 「将来取得する株式のうち、○○株を□□に譲渡する」

このように、遺言書には将来取得する財産を明記し、その取得後に特定の相続人へ相続させる旨を記載することができます。


遺言書に記載する際のポイント

  1. 取得予定の財産を明確に特定する
    将来取得予定の財産について、遺言書に記載する際には、その財産が具体的に何であるかを明確にしておくことが重要です。たとえば、「土地を相続させる」という表現だけでは不明確であり、その土地がどの土地を指すのかが分かりません。詳細を記載することが、遺言書の効力を確保するためには不可欠です。
  2. 相続対象財産の詳細を確認する
    将来取得する財産が確実に遺言書に記載された通りに取得されることを確認する必要があります。つまり、遺言書に記載された財産が後日取得されない場合、その内容が実現しません。そのため、将来取得予定の財産の確実性を事前に確認しておくことが重要です。
  3. 遺言書の正確性と法的効力を確保する
    遺言書は法的な効力を持つため、誤った形式や記載方法では無効となることがあります。法的に正しい形式で遺言書を作成することが、将来のトラブルを防ぐために必要です。誤った方法で遺言書を作成しないためにも、司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。

将来取得する財産の遺言書のメリットと注意点

メリット:

  1. 自分の意思を反映できる
    将来取得する財産について事前に相続を指定することで、相続後の混乱を防ぎ、自分の意思を確実に反映することができます。財産が遺言に基づいて分配されるため、相続人同士の争いを避けやすくなります。
  2. 遺産分割の無用な争いを防げる
    特に高額な財産や価値のある不動産などを相続させる場合、その取り決めを遺言書で行っておくことで、後々の相続争いを防ぐことができます。

注意点:

  1. 遺言の執行には条件がある
    将来取得する財産が実際に遺言者の手に渡ることが前提となります。もしその財産が取得されない場合、その遺言の内容は実現できません。したがって、遺言書に記載する際には、取得予定の財産の確実性を確認しておく必要があります。
  2. 遺言書は変更・撤回が可能
    遺言書は一度作成しても変更や撤回が可能です。人生の節目に合わせて、定期的に遺言書の内容を見直し、最新の状況に応じたものに更新することが推奨されます。

司法書士に相談するメリット

遺言書を作成する際、専門家である司法書士に相談することで、より正確で効力のある遺言書を作成することができます。また、相続人同士の争いを避けるためのアドバイスや、法律に基づいた遺言書の作成をサポートしてくれるため、安心して手続きを進めることができます。

司法書士福田龍之介事務所では、遺言書の作成をサポートしており、将来取得予定の財産を相続させる遺言書に関するご相談も承っています。相続や遺言に関して不安があれば、お気軽にご相談ください。


まとめ

将来取得する財産を相続させる遺言書は、正確に記載すれば法的に有効であり、相続後のトラブルを防ぐための有効な手段となります。遺言書作成時には、具体的な財産の特定や取得予定の財産が実際に手に入ることを確認し、法的に有効な方法で作成することが大切です。

相続に関する疑問や不安があれば、ぜひ司法書士福田龍之介事務所へご相談ください。

この記事を書いた人

福田 龍之介

【資格】司法書士
【略歴】埼玉の地方紙で、記者として約18年間働き、社会部、運動部、
    政治部などの記事を作成。
    その後司法書士として約4年間その専門性を磨き、現在に至る。
【所属】埼玉司法書士会