【相談事例】

「親が急に亡くなり、遺産をどう分けたらいいか迷っています…」

相談者:Aさん(30代・男性)

◆ご相談のきっかけ

Aさんはある日、突然お父様を亡くされました。あまりにも急な出来事だったため、気持ちの整理もつかないまま、葬儀や各種手続きに追われる日々。その中でふと、「この先、遺産ってどうすればいいんだろう…?」という不安が頭をよぎったそうです。

特に悩ましかったのは、ご兄弟が遠方に住んでいてなかなか顔を合わせることができず、遺産の分け方について話し合いができないという状況でした。「電話やメールだけでは細かいことを伝えにくく、誤解が生まれそうで怖い」と、Aさんは不安を抱えていました。

◆当事務所の対応

まずはAさんから、相続財産の内容やご家族の構成、現在の状況について丁寧にヒアリングを行いました。そのうえで、相続手続きには「遺産分割協議」という話し合いが必要であること、そしてその結果をまとめた「遺産分割協議書」が必要になることをご説明しました。

ご兄弟が遠方に住んでいるとのことでしたので、無理に日程を合わせて集まる必要はなく、オンライン会議(Zoom等)を利用した話し合いをご提案。

画面越しではありましたが、顔を見ながら意見を伝え合えることで、誤解や行き違いも防ぐことができました。

その後は、司法書士として必要書類(戸籍謄本・固定資産評価証明書など)の取得を代行し、協議書の文案作成・署名捺印の調整もすべてサポート。郵送によるやり取りや印鑑証明書の取得なども、各相続人の状況に応じてきめ細やかにご案内しました。

◆最終的な結果

数回のオンライン会議とメールのやり取りを経て、ご兄弟全員が納得できる形で遺産分割がまとまりました。「専門家が間に入ってくれたことで冷静に話し合えた」「一人で抱え込まなくてよかった」と、Aさんからは安堵の表情とともに感謝のお言葉をいただきました。

最終的には、不動産の名義変更や預貯金の解約といった相続手続きも無事に完了し、Aさんは「ようやく一歩前に進めそうです」と前向きな気持ちを取り戻されたようでした。

◆ひとこと

遺産の話し合いは、家族の気持ちがぶつかりやすく、なかなかスムーズに進まないこともあります。とくに今回のように、遠方に住むご家族がいる場合や、急な相続で準備ができていない場合には、司法書士が間に入ってサポートすることで、話し合いが円滑に進むことも多くあります。

相続に関するお悩みがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。ご家族の想いに寄り添いながら、必要な手続きをしっかりとサポートいたします。

この記事を書いた人

福田 龍之介

【資格】司法書士
【略歴】埼玉の地方紙で、記者として約18年間働き、社会部、運動部、
    政治部などの記事を作成。
    その後司法書士として約4年間その専門性を磨き、現在に至る。
【所属】埼玉司法書士会