【保存版】任意後見契約を徹底解説|制度の仕組み・費用・家族信託との違い・実例まで

こんにちは。埼玉県富士見市、鶴瀬駅東口徒歩2分にある司法書士福田龍之介事務所です。

今回は「任意後見契約」について、制度の概要から実際の費用感、家族信託との違い、さらに実例までを一挙にご紹介します。


任意後見契約とは?

任意後見契約とは、将来判断能力が低下したときに備えて、あらかじめ信頼できる人に財産管理や身上保護(生活支援)などを依頼する契約です。

この契約は、本人がまだしっかりしているうちに結び、公正証書で作成します。

将来、認知症や病気などで判断能力が衰えたときに、家庭裁判所が「任意後見監督人」を選任することで、正式に契約が発効します。

任意後見制度が注目されている理由

  • 高齢化の進行により、認知症になるリスクが高まっている
  • 子どもがいない・遠方に住んでいて頼りづらい
  • 判断力が衰えたときに、銀行や不動産などの手続きが困難になる

こうした背景から、自分の信頼できる人に事前に「お願い」しておく方法として、任意後見契約のニーズが高まっています。

【比較】任意後見と家族信託、どっちがいいの?

項目任意後見家族信託
開始時期判断能力が低下してから契約後すぐに開始も可能
管理できる財産本人の全財産(契約による)信託財産として指定したもののみ
裁判所の関与任意後見監督人の選任が必要関与なし
柔軟性契約内容は法律の範囲内柔軟に設計可能
身上保護対象になる(契約による)基本的に対象外

選び方のポイント

  • 任意後見は「生活や医療、身上保護」も含めて支援したい方向け
  • 家族信託は「資産承継・相続対策」に強みあり
  • 併用することで、両制度のメリットを活かせます

任意後見契約の手続きと流れ

  1. 初回相談・ヒアリング:ご希望やご家族構成、資産状況を把握
  2. 契約内容の設計:何を、誰に、どう任せるかを明文化
  3. 公正証書の作成:公証役場で正式に契約を締結
  4. 将来の発効:判断能力が低下した際に家庭裁判所に申し立て、後見開始

任意後見契約にかかる費用の目安

費用項目金額の目安(概算)
公正証書作成費約2〜3万円
公証人の出張費(訪問の場合)(日当含め)約2~4万円
司法書士報酬約10〜20万円(契約内容による)
登録免許税不要(非課税)

※任意後見開始後の費用:
任意後見監督人の報酬として、月額1万〜2万円程度が発生する場合があります(家庭裁判所が決定)。

【実例紹介】80代女性・Aさんのケース

背景:
80代・一人暮らしの女性。子どもなし、近くに住む姪を頼りにしていた。認知症の兆候が出始めていた。

対応:
信頼している姪を「任意後見人」として任せる契約を締結。公正証書で範囲や役割を明文化。
「施設入所の契約」「口座の管理」なども任せられるように設定。

結果:
後に判断能力が低下した際、スムーズに後見開始。姪が生活支援を引き受け、本人の希望通りの生活が継続できた。

司法書士に相談するメリット

  • ご本人の状況に合わせて契約内容を提案
  • 家族信託や遺言との組み合わせも可能
  • 公証役場や家庭裁判所との手続きも一括サポート

まとめ|任意後見契約は「未来の安心」への準備

任意後見契約は、「まだ元気な今」の判断力を活かして、将来の安心をつくる仕組みです。
誰に、どこまで任せるのか——それを自分の意志で決められる制度です。

「備えておけばよかった」と後悔しないよう、今のうちから準備をしてみませんか?


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司法書士福田龍之介事務所
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この記事を書いた人

福田 龍之介

【資格】司法書士
【略歴】埼玉の地方紙で、記者として約18年間働き、社会部、運動部、
    政治部などの記事を作成。
    その後司法書士として約4年間その専門性を磨き、現在に至る。
【所属】埼玉司法書士会