
こんにちは。富士見市・鶴瀬駅徒歩2分の司法書士福田龍之介事務所、代表の福田龍之介です。
突然ですが、皆さんは「遺言書」と聞いてどのようなイメージをお持ちでしょうか? 「財産をだれにどれだけ分けるかという、堅苦しい法律文書」と思われる方が多いかもしれません。
しかし、私はこれまで多くのご相談をお受けする中で、こう強く感じています。
「遺言書で本当に大切なのは、何を遺すか(財産の分け方)よりも、ご家族へ『どう伝えるか』という想いの部分である」と。
今回は、元・新聞記者として18年間「人の話」を聴き続けてきた経験をもとに、ご家族に後悔を残さない、心に響く遺言書作成のコツについてお話しします。
■ 1. 法律上のルール(文面)だけでは防げない「感情のしこり」
遺言書は、民法で定められた形式に沿って正しく作成しなければ、法律上の効力を持ちません。「〇〇の土地は長男に、〇〇の預金は長女に相続させる」といった記述です。
しかし、形式通りに作成された完璧な遺言書であっても、受け取ったご家族の間で「なぜ兄さんが土地で、私が預金なの?」「お父さんは私より兄さんの方を可愛がっていたのかな…」といった疑問や感情のしこりが生まれてしまうケースがあります。
法律的な書類としては正しくても、「なぜその分け方にしたのか」という理由や背景が抜けていると、かえって残されたご家族の絆を傷つけかねないのです。
■ 2. 想いを伝える切り札「付言事項(ふげんじこう)」とは?
そこで私が強くお勧めしているのが、遺言書の中に「付言事項(ふげんじこう)」を書き添えることです。
付言事項とは、財産の分け方などの法的効力を持つ本文とは別に、ご家族への感謝の気持ちや、その配分に至った理由、将来への願いなどを自由な言葉で書き残す文章のことです。
例えば、このような一言を添えるだけで、受け取ったご家族の受け止め方は大きく変わります。
【付言事項の例】
「長男の〇〇へ。これまで実家の修繕や私たちの通院の送迎など、細やかに面倒を見てくれてありがとう。感謝の気持ちを込めて自宅の土地建物を譲ります。 長女の〇〇へ。遠方に住みながらも定期的に連絡をくれ、孫の顔を見せてくれたことが何よりの励みでした。〇〇の将来の足しにしてもらうため、預金を相続させます。 きょうだい二人、これからも仲良く助け合って生きていってください。」
このような文章があるだけで、「お父さん(お母さん)は自分たち二人それぞれのことをしっかり考えてくれていたんだ」と納得し、温かい気持ちで遺言を受け入れることができるようになります。
■ 3. 元新聞記者ならではの「想いを引き出す」インタビュー術
「想いを残したいけれど、いざ文章にしようとすると言葉が出てこない…」 そう悩まれる方も少なくありません。自分の気持ちを整理して文章にするのは、想像以上に難しい作業です。
私自身、埼玉新聞の取材記者として18年間、多様な立場の方々から「想い」や「ストーリー」を聴き出す仕事をしてきました。
当事務所の遺言作成では、ただ機械的に「財産目録」を作って文面を整えるようなことはいたしません。雑談を交えながら、じっくりとお話をお伺いします。
・「ご家族と過ごした一番の思い出は何ですか?」
・「お子様たちが幼い頃、どんなご家庭でしたか?」
・「今回、遺言書を作ろうと思った一番のきっかけは何でしたか?」
こうした問いかけ(インタビュー)を通じて、お客様ご自身も気づいていなかった「家族への本当の想い」や「感謝の気持ち」を言葉として引き出し、丁寧な文章に落とし込むお手伝いをいたします。
■ まとめ:終活は「家族の絆」を深めるきっかけ
遺言書を作成することは、単なる「終活」や「整理」ではありません。 ご自身の人生を振り返り、大切なご家族へ「ありがとう」を伝えるための絶好の機会です。
「まだ何をどう分ければいいか決まっていない」 「家族へのメッセージをどう書けばいいか分からない」
そんな段階でもまったく問題ありません。まずは「こんな家族なんだ」「昔こんなことがあってね」といった雑談から、お気軽にお話ししてみませんか?
元記者としての『聴く力』を活かし、あなたとご家族を温かくつなぐ遺言書作成を全力でサポートいたします。