【不動産の生前贈与】メリット・デメリットを徹底解説!相続対策にも効果的?

相続税対策を検討するとき、生前贈与は必ずといってよいくらい選択肢の一つに上がります。相続財産を減少させつつ次世代へ資産承継できるため、生前贈与は一石二鳥の相続税対策ともいえるでしょう。しかし、現金や預貯金は誰でも簡単に贈与できますが、不動産を生前贈与したい場合はどうなるでしょうか? 生前贈与をするメリットとデメリットがあります。

不動産を生前贈与するメリット

  • 贈与する相手やタイミングを自分で選べる
  • 計画的かつ確実な財産承継ができる
  • 相続財産が減少することで相続税の軽減につながる
  • 収益物件の場合は家賃収入を受贈者に移転できる
  • 贈与税の配偶者控除の特例が使える

不動産を生前贈与するデメリット

  • 相続税よりも高い税率が適用される
  • 相続よりも名義変更などの費用が高い
  • 相続開始前3年以内の贈与は相続財産に加算される(税制改正あり)
  • 小規模宅地の特例が使えない

不動産の生前贈与する場合の必要書類

  1. 不動産登記事項証明書
  2. 不動産の権利証(登記済証)
  3. 贈与者の印鑑証明書(発行から3か月以内)
  4. 受贈者の住民票
  5. 固定資産評価証明書
  6. 農地法の許可証(贈与する不動産が農地の場合)

不動産の生前贈与の手続流れ

①印鑑証明書や住民票などの取得

贈与契約を取り交わす前に、手続きに必要な書類を集めます。

②贈与契約書等の作成

不動産の名義を変更する場合「登記原因証明情報」を法務局へ提出する必要があります。贈与であれば贈与契約書が登記原因証明情報にあたります。贈与者と受贈者が署名し、実印で押印します。

③所有権の移転登記

不動産の名義変更を「所有権の移転登記申請」といい、対象不動産の住所地を管轄する法務局で手続きをします。

不動産の生前贈与が向いているケース

①将来の価値が確実に上がる土地

贈与税は、贈与が行われたときの評価額に対して課税されますが、相続税は所有者が亡くなった時点での評価額が基準になります。現在は評価額の低い土地であっても、周辺の宅地開発や道路建設などが予定されていれば、将来の価値は高確率で上がります。将来の値上がりが確実な場合は、評価額が低いうちに贈与した方が得になるでしょう。

②賃貸マンションなどの収益物件

家賃収入が入り続けると相続時の財産が増えてしまうため、賃貸マンションなどの物件は早めに贈与した方が相続税対策として有効です。

③婚姻期間が20年以上の夫婦

結婚してから20年以上経つ夫婦の場合、居住用不動産(自宅)の贈与には「贈与税の配偶者控除」が適用できます。贈与額から2000万円を控除でき、さらにねんかん110万円の基礎控除も加算できるので、最高2110万円までの非課税贈与が可能になります。自宅の評価額が2000万円前後であれば、ぜひ検討しておくべきでしょう。

④相続税が発生しない場合

相続税には基礎控除があり、以下のように計算します。

相続税の基礎控除:3000万円+(600万円×法定相続人の数)

相続人の最低人数は一人なので、3600万円以下の財産であれば相続税はかかりません。一方、生前贈与には「相続時精算課税制度」が使えるため、一定条件を満たせば2500万円までの贈与が非課税になります。相続時精算課税制度を使って贈与した額は、将来的に相続財産へ参入しますが、相続財産に組み入れても基礎控除内に収まる場合は生前贈与が有利になります。

※税金に関する詳しいことは、税理士にお聞きください。

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この記事を書いた人

福田 龍之介

【資格】司法書士
【略歴】埼玉の地方紙で、記者として約18年間働き、社会部、運動部、
    政治部などの記事を作成。
    その後司法書士として約4年間その専門性を磨き、現在に至る。
【所属】埼玉司法書士会